ソニーReaderのEPUB3は本物?
こ、これは…
恥ずかしながら先日アップした「鏡花短編選 深山編」のEPUBに、大きな問題があることに今頃になって気づいて、ファイルを引っ込めました。「銀短册」という長めの短編というか短めの中編の、20章のうち19章辺りで、プツリと表示がとぎれてしまっているのです。ソニーReaderの方の現象で、iOSのKinoppyでは問題なく最後まで表示されています。
テキストや指定に何か問題があるのだろうと思ったのですが、仔細に見ても問題らしき点は見つかりません。となると、ソニーReaderの問題ということになるのでしょうか。確かに「銀短册」は3つの短編集中、一番長い作品で、なおかつ総ルビのルビタグだらけのファイルですから、その負担にReaderが音を上げたとも考えられますが、それにしてもこの程度で…。
そういえば「世話編」の「假宅話」でも、途中の特別に長い段落のせいか、ページ送りが極端に遅延するという現象が見られました。バグと覚しい動作も見られますし、ソニーReaderのEPUB3対応には何かと問題があるようです。どうしたことでしょう。
にわかにReaderの能力への疑惑が生じて色々ググってみると、何とこんなブログに出くわしました。個人の方のブログですが、3月末のReaderのアップデート直後にソニーに確認して「コミックなど固定レイアウト型の EPUB3について動作確認しているが、縦書きの本などに対しては保証できない」というコメントを得たというのです。
そんなあ~、という感じです。そういえばアップデートの際のソニーのアナウンスは「EPUB3固定レイアウトへ対応」でした。けれど、試してみて文章物もちゃんと縦書き・ルビ打ち表示をしたので、ついに待っていたEPUB3環境が手に入ったのだと興奮したのですが、ソニーはもともとリフローには腰が引けていたようです。不自由な既存のフォーマットに代わって、誰でも自由に利用できるオープンなフォーマットをしっかりサポートして、新しい電書ムーブメントを主導していこう、なんて気はちっともなかったのです。
だから、Readerは少し重いデータにはすぐに音を上げてしまう。いやはや、弱りました。「今最も実用的と思われる二つのEPUB3読書システム」の一方の実用性に疑問符がついてしまいました。もう一方のKinoppyも最近よく落ちますしね。これから江戸物のテキストなどもEPUBに放り込んでしまおうと意気込んでいるのに、作ってもそれが読書端末でちゃんと表示できるかどうか保証がないというのは、著しくモチベーションを損ねる状況です。
こうなればソニーさんがリフローEPUB3に本腰を入れてくれるのを待つのみ? しかし時代は動いています。もうすぐ楽天kobo発売。koboは必ずEPUB3を積んできますから、頼りないReaderに代わって確かな受け皿になってくれるかもしれません。koboに刺激されてソニーのEPUB3対応が進む可能性も。Kindleの動きもここにきて急加速し、この夏はようやく熱くなってきた専用端末のニュースを注視しながら、EPUB遊びを続けていくことになりそうです。
追記)ソニーReaderのマイナーアップデートが7月3日にあって、ファームウェアのバージョンが2.0.02.06220になりました。で、これを当てると、上記「銀短册」のしり切れとんぼ現象は解消しましたが、今度は20章の最後の方で、なぜか段落間に数行の空きが出現するという現象が私のPRS-T1では見られています。また、「世話編」の「假宅話」でページ送りが極端に遅延するという現象もそのままです。まあ、しり切れとんぼという最悪の状態は脱しましたので、「深山編」のEPUBファイルは再アップしましたが、なんだかなあという感じです。ソニーさんはハリポタの電子化権を手に入れて、8月には出すそうですが、フォーマットは何で出すんですかね。EPUB3なら端末がこのままで大丈夫?
ありがとうございます。
確かにページ送りが遅延してしまうxhtmlファイルは90KB以上あります。でも、それだけじゃなく1段落がものすごく長い部分があって、その辺でひっかかってしまうので、それが原因ではないかと疑っています。それにしてもKB単位でサイズを心配しなくちゃならないとは、いつの時代の話なんだよといいたくなりますね。今日発売されたハリーポッターはメガバイトサイズのEPUB3形式のようですが、Readerはちゃんと読めているのでしょうか。
PRS-T1ユーザーです。
テキストファイルで持っている物を縦書きで読みたいと ChainLP でPDFにしておりましたが、字の大きさを変えたいのでEPUB3化に挑戦しています。情報を求めてうろついている際、こちらのサイトも参考にさせていただきました。
大きなファイルを読むとき、極端に反応が遅くなったり固まってしまうという現象についてですが、EPUBファイルを作成する際に、本体のファイル(html)を分割すると良いようです。50~60KB程度以下に分割している範囲では、反応にストレスを感じるという事はありません。ページ移動もちゃんと指定のページ(readerが計算しているページですが)に移ってくれるようです。
いろいろと試しましたがピンとくる方法(ソフト)が無いため、手順は簡単そうなので「自分で作ってしまえ」と自分専用・PRS-T1専用のものを作成し楽しんでおります。
参考までに。
ご教示ありがとうございます。
実はKinoppyでEPUBのでき具合を確認するときは、iPod touchを使っておりまして、デバイスが非力なせいか、ページ効果をなしにしても、ページ送りを速くするとおちますし、ファイルを開く時にもよく落ちます。まあ、総ルビなんて無茶なことをやっているせいだと思いますが、ソニーリーダーといい、EPUB3デバイス未だしという感じがしてきました。楽天Koboへの期待がいやが上にも高まってしまいますが、カナダ版がちょっと動作が緩慢だったので、しっかりパワーアップされているのかが気になります。
こんにちは。先日は返信ありがとうございます。
私もKinoppyがすぐ落ちて困っていましたが、「設定」を開いて「ページ切り替え効果」を「なし」にするとiPad2の環境では落ちなくなりました。
A5サイズで500頁ほどになる総ルビの書籍をEPUB3化(文字サイズを大きくしたのでEPUB3縦書きで833頁)したもので確認してみましたが落ちずに読めます。
試しに文字サイズを150%に拡大してみたところ、拡大まで10秒程度の時間がかかり、ページ数は1899頁になりましたが、数回同じことをしても落ちません。
もしこの設定をしてないようでしたら試してみて下さい。