『南游志』アルバム2〈二部洞門・無量寺・橋杭岩〉

「層岩 路に当たって仙関を表し、中に洞天有って往還を通ず。」(『南游志』附錄詩「二部洞門」初・二句)

「二部二色兩嶺を經て、晡時串本に達し、無量禪寺に宿す。殿堂宏麗、僻境に類せず。障壁皆、應舉・蘆雪の畫を貼る。人物動植、並びに皆生動す。二人の畫、院體に為て、文士喜ばざる所なり。然れども寫生精巧、いよいよ筆力を見る。」(『南游志』三月二十六日)

「早に發し、橋杭浦を過ぐ。浦口、竒巖羅列すること三十餘座。瑶篸の如く、玉笏の如く、圭の植ゆるが如く、魚の立つが如く、倚天の劍の如く、書空の筆の如し。狀を悉くす可からず。大小長短同じからずと雖も、亦皆地を拔いて峭立す。」(同二十七日)

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