追加情報3つ
楽天koboで栞(読書位置)を残す方法
前回の投稿の最後に追記したように、楽天koboで自作EPUBを拡張子を.kepub.epubにして読むと、表示自体は満足できるものになるのですが、読書位置が残らないという痛すぎる現象が起こります。その回避策として、各センテンスごとに< span id=”kobo.1.1″ >~< /span >という具合に< span >タグで括って一定の番号を振っておくという方法がネットで紹介されています。これで検索も働くようです。同様に< p >タグに番号を振っても栞は残るようですが、検索は効かないよう。どっちにしても自動化の手段がないととんでもなく手間がかかりますし、ファイルも重くなってしまいますので、あまり現実的な対策とはいえないように思います。
KinoppyがIVSに対応。文中リンクも
iOS読書アプリのKinoppyが1.2.2にバージョンアップして、bREADERに続いてIVSに対応しました。他にサロゲートペア、EPUB固定レイアウト、そして待たれた文中リンクにも対応と、一気のステップアップです。ただ、そのせいかずいぶん重くなってしまったようで、iPod touchでは鏡花本が頻繁に落ちます。もはやiPhoneかiPadでしか満足に動かないようですね。ソニーReaderは異体字セレクターをきれいに無視するし、サロゲートペアには対応しているようですので、部分的に文字化けする楽天koboのことを考えなければ、鏡花EPUBは全部IVS化してしまってもかまわないかもしれません。
「ハリー・ポッター」は参考になります
情報としては古くなりましたが、7月末に発売された「ハリー・ポッター」の電子書籍シリーズ。電子透かしを利用した事実上のDRMフリーに引かれて一冊購入して、さっそく腑分けして勉強させてもらっています。面白いのはナビゲーション文書が3種類もあること。目次はncxで表示したり、リスト形式の目次が表示できないリーダーがあったり、バラバラな仕様に対応しようとするとこういうことになってしまうようです。あと、扉画像を< svg >タグで括ることで安定して扉表示ができるようで、その辺りの仕組みは私にはチンプンカンプンなのですが、とりあえず猿真似させてもらおうと思っています。他にも参考になるテクニックがいろいろ蔵されていそうです。
その「ハリー・ポッター」、何の気なく読み始めてみましたが、なるほどこれは面白いですね。英国ファンタジー文学の伝統を受け継いだ、文章も構想も読み応えのある大作で、日本の宮崎駿などのアニメ・ファンタジーとはまったくの別物、あくまでこうして読んでこその作品という気がします。そういう意味で大冊の物理的・経済的負担を軽減した今回の電子化は、電子書籍の利点を印象づけるいい企画だったのじゃないでしょうか。直売サイトのポッターモアから最初はソニーReaderにダウンロードしたのですが、すぐにkoboへの同期が可能になったので、フォントと文字組みの勝るkoboでもっぱら読んでいます。もうすぐ出るらしい新Reader PRS-T2の文字の姿はどうなるでしょうか。