Google playブックスで読む和本
Googleによる日本での書籍の販売が先月末から始まりましたね。パソコンだけでなくアンドロイド端末からもGoogle playブックスを通して本を買うことができ、グーグルのアカウントと専用読書アプリを介してiOSでも読むことができるようです。のぞいてみると、ここもご多分に洩れずコマ不足のようで、Google playブックスのトップページにはコミックとビジネス書と無料の青空文庫や海外の名作が並ぶだけで、そのアプリストアほどには食指は動きません。
でも、忘れてはいけません、Googleには膨大な著作権切れ書籍のアーカイブがありました。その扱いはどうなっているんだろうと、Google playブックスの検索窓に「詩鈔」などという古色蒼然たるタイトルの断片を打ち込んで見ると、驚くなかれ隠れていた書庫の扉が開いて、Googleが慶応義塾図書館の協力で作り上げた十万冊ともいわれる和本・和書のアーカイブがリストアップされてきました。そして本を選択すると、従来よりも遥かに読みやすくなった閲覧ページが現れます。さらに特筆すべきは、アンドロイド端末・iOS端末に用意された専用ビュワーでのPDF書籍の表示のスムーズさ。下の動画のように、まるで本棚から本を選んでページを繰るように実にスムーズに江戸の漢詩集を楽しむことができました。
これまで遅い表示や融通のきかないページ送りを我慢しながら、ダウンロードしたPDFをソニーReaderやiBooksで読んでいたのが嘘のような快適さです。特にplayブックスと同時に発売された7インチのアンドロイドタブレットNexus7で読むと、文字の大きさも適度だし、本体のサイズや重さもぎりぎり読書端末として常用できる範囲で、まさにGoogleアーカイブを読むためにある端末といいたいほど。また、iPadでも専用アプリで同様にスムーズに読め、画面を横にすると見開きで、縦では1ページずつと使い分けられるメリットもあります。
一つ残念なのはGoogle playブックスから導入した以外の、たとえば国立国会図書館の近代デジタルライブラリーからダウンロードしたPDF書籍などの外部ファイルは読めないこと。けれど、近デジのPDFについては、Reader for androidというPlayブックスビュワーに劣らない優れものが最近になって登場し、にわかに日本の二大アーカイブを巡る読書環境が充実してきたという印象です。ソニーのアンドロイド読書アプリ、Reader for androidについてはまた項を改めて。