Kindle Paperwhite 感想
いよいよ身の周りが白や黒の板だらけになってきましたが、これだけはやはり抑えておかなくちゃということで、発売日に届いたKindle Paperwhite を EPUB本自作派の視点から取り急ぎチェックしてみました。
●紙面の様子
基本的に文字組みは先日報告したアンドロイド用のKindleアプリと同じ。フォントは少々癖のあるタイプバンク明朝。個々のグリフの姿だけでなく文字の並びの整いもいま一つ。行頭の起し鍵括弧は半角取りで、句読点と連続する場合は1.5角取りになるようです。行末・行頭禁則に破綻は見られず、下の余白が小さい画面設定でも句読点のぶら下がりを行なっています。ルビは3文字以上で親字の前後を空ける設定で、前後の文字にまでルビをかける文字かけはしないようです。
●自作ファイルの読み込み
内蔵のウェブブラウザからDropboxなどのオンラインストレージに置いた自作mobiファイルを選択するとダウンロードが始まり、パーソナルドキュメントとしてホームに登録され読むことができます。ただしこの方法でやるとクラウド上のKindleライブラリには自作mobiファイルはアップロードされないようです。クラウドにアップして登録した複数の端末に配信したい場合は、例のメールに添付して端末に付与されたアドレスに送信するという方法を採る必要がありそう。ただし、そうしてダウンロードしたものはKindle PWではなぜかカバー画像が表示されません。パーソナルドキュメントや配信端末については、アマゾンのアカウントサービスのなかにあるMy Kindleから設定することができます。
●EPUB→mobi変換
これも先に報告したように Kindle Previewer でワンクリックで行なえますが、アンドロイド版Kindleアプリではアプリにシステム目次がないためパッケージ文書の guide要素に文中目次の指定を加えておく必要がありました。けど、Kindle PWではEPUB2のナビゲーション文書であるncxを読んでいるようで、そのままでシステム目次が表示されますね。ただし、アプリのことを考えると、guide要素への指定追加は必須かと。
●全体
ソニーReaderやKobo touchのような大きな難点が見当たらず(今のところ)、ソツなく仕上がった総合力の高い端末だと思います。外装のデザインや手触りもよく吟味されていますし、内蔵ライトも、意外に青かったのとムラがあるのが気になりますが、もちろん便利この上なし。これからはライト無しの読書端末は選択しにくくなりますね。といっても、Kobo Gloを買うことはなさそうですが。欠点があるとすれば、独自フォーマットだということとフォントぐらいでしょうか(バッテリーの持ちはこれから)。前者については、まあそれがアマゾンというぶっちぎり企業の特権だということで、受け入れつつ自由なEPUB出版との共存をはかるしかなさそう。後者についても、水の如くニュートラルでコンテンツの邪魔をしないフォントをと、アマゾンさんにお願いするしかなさそうです。
追記:オリジナル電子本にmobi版を追加しました。
ありがとうございます。kindleのフォントが我慢できない人にはお勧めですね。
本作りの立場としてはデフォルトの環境を維持しなければならないのがつらいところです (T_T)
ここにkindle paper whiteのフォントの変更方法が乗っていますよ。
http://www16.atwiki.jp/kindlematome/pages/31.html